pain

何に傷つき、何が苦しめているのかわからない。世の中の家庭を持つ幸せをを受け入れられない自分をどこか普通ではないと言われているようだ。

自分は自分のアイデンティティを確かめるため、あるいは自分を自ら否定し嫌いになろうと鏡に映る自分を見ようとする。自分と鏡の自分はまるっきり違くて、あまりにも不安と苦しみに駆られていようが感情のない顔つきをしている。そんなことに気付きながらアイデンティティを探しあるいは拭おうとする子供だ。

あまりにも自分自身に自信がない。それは全てにおいてだ。人と関わるほど不安は募り、いつか自分が一人になってしまった時、二度目は耐えられない。それが起こらないように、起こさせないようにと過ごすうちに関わる関係は狭くなり恐怖心は増す一方だ。自分はどこか欠落した人間であり、愛されたいと思うと同時に手放される覚悟はできない。また、子供が愛せなかった時。自分が取る可能性がある行動が怖い。そんな自分勝手な自分がまた、子供を育てるなど難しいだろうと追い打ちをかける。子供を望まない人間にパートナーが満足するはずもないと、そこから飛躍し自分は一人で生きた方がいいのではと考え始める。自分こそも知らず、夜な夜な自分を探そうとし、苦しくなって考えて。また、繰り返す。

夜だけだった心の苦しみも、今では過去を思い出した瞬間や本望は願っているが果たせそうにない未来を見た時に少し込み上げてくる。声に出して言えば救いをくれるかもというタイミングでも目頭だけが熱くなるだけで口は閉ざしたまま、苦しみを噛み締め移り変わる景色を見ることしかできなった。その時、自分のこの苦しみは一人でどうにかするべきことなんだと知る。菩薩や如来に密かに苦しみを取ってくれと静かに願ったように、目に見えない何かを手繰り寄せ心の平穏を願う。