ナルト

里のみんなから背を向けられていた幼いナルトの目線からは何が見えていたのだろうか。顔が見えない。触れてもらえない。話せない。そんな状況が続いた彼に何を成長させたのか。

 

人と人のコミュニケーションが断たれた状況だったからこそ、ナルトは人の感情をを背中で察するように見つめ、自分の寂しかった過去や今の感情と同化させながら気づいていたのかもしれない。一人でいるサスケ、一人になろうとするサスケの心を一番理解し記憶の感情が同情していたのかもしれない。

 

自分を避けろと子供に教えていた里の親の背中からは何を見出したのか。里のみんなが小さいナルトに背を向けている画像を見た。ナルトよりも背の高い大人たちの背中はナルトに背を向けて囲みながらもそれは、守るための壁には見えずただ、暗い影をナルトに落とす影にしか見えなかった。

 

それでもなんとなく背を向けた壁に囲まれていても凹凸の向こうには光があって、いつの日かの希望なのかこの壁を乗り越えれば暖かい繋がりがあるよと伝えているようだった。